COLUMN

〈 食ノ壱 〉

百年の技術と情熱が生む
「鶴の子豆腐」

2025.2.10.UP

禅の静寂とともに味わう、菊水の湯豆腐
豆腐一丁に込められた百年の物語

旅の本質は、訪れた土地の文化や歴史、そしてそこに根付く食文化に触れることにある――
そんな価値観をお持ちの皆様に、ぜひ私ども南禅寺参道菊水での湯豆腐体験をお楽しみいただきたいと思います。

その味の要となるのは、銀閣寺の麓にある老舗「西初豆腐店」の絹ごし鶴の子豆腐です。
創業から100年、京都の町を支える裏方として、ひたむきに豆腐作りに取り組むこの店の姿勢が、食通をも唸らせる逸品を生み出しています。

100年にわたり一丁一丁丹念に作られる豆腐には、
職人の誇りと情熱が凝縮されています。

百年の技術と情熱が生む「鶴の子豆腐」

「西初豆腐店」の鶴の子豆腐は、北海道函館産の大粒大豆「鶴の子大豆」を使用しています。3代目の大旦那がこの大豆に惚れ込み、幾多の試行錯誤を経て現在の絹ごし豆腐の味を完成させました。素材の持つ風味を最大限に引き出しながら、喉越しの良さと深みのあるコクを両立させたその味は、京都のみならず全国のファンを魅了しています。

家業を継ぐ4代目若旦那が語るのは、「京都の町を愛し、町の裏方として支え、この伝統を次世代に繋いでいきたい」という熱い想いです。太陽が昇る前から一丁一丁丹念に作られる豆腐には、職人の誇りと情熱が凝縮されています。

「西初豆腐店」4代目若旦那。その味は、
京都のみならず全国のファンを魅了しています。

三種の味わいで楽しむ湯豆腐

私ども菊水では、この鶴の子豆腐をシンプルかつ贅沢に味わう湯豆腐をご提供しています。定番の醤油だれや吉野餡に加え、昨年から新たに胡麻塩を取り入れました。素材の豆腐そのものが美味しいからこそ、胡麻塩のさっぱりとした風味が際立ち、絹ごしの滑らかな舌触りを存分に堪能いただけます。

一つの豆腐で三種の味変を楽しむ贅沢さ――それは、「素材を知り尽くした者だからこそ成せる技」であり、訪れる方々の心をも満たすものであると自負しております。

胡麻塩のさっぱりとした風味と、
絹ごしの滑らかな舌触りを存分に堪能ください。

禅とともに未来を見据えて

南禅寺の静寂な参道に佇む菊水は、湯豆腐を味わうだけの場所にあらず、禅の心に寄り添いながら、京都の伝統を守りつつも、新しい挑戦を続ける象徴的な存在でありたいと考えております。

百年の歴史と職人の情熱が込められた湯豆腐を、ぜひとも大切なひとときを過ごす特別な旅の一頁に加えていただき、「京都に行くなら菊水で湯豆腐を」と語りたくなる理由を、私どもの湯豆腐で実感していただきたく存じます。